慣用句問題|感情・評価・技能・対人行動への適用 標準 第2集
問題 1
地域の人は、報酬も求めず二十年間にわたって毎朝通学路を清掃してきた人の献身に、深い敬意を抱いた。この気持ちを表すのに最も適切な慣用句はどれか。
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長年の無私の行いに感心し、敬服しているため「頭が下がる」が適切である。「頭が上がらない」は、相手への負い目や相手の力のため対等に振る舞えないことを表す。ここでは個人的な負い目ではなく、献身的な姿勢への尊敬が中心である。
問題 2
工事責任者は、安全基準を下げず、予算も増やさず、完成日も動かせないという三つの条件を前に、検討した案がすべて行き詰まり、どうすべきか分からなくなった。この状態を表す慣用句はどれか。
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解決策が見つからず、悩んで思案に暮れているため「頭を抱える」が適切である。「頭を絞る」は、知恵を出そうと懸命に考える行為に重点がある。この責任者も検討はしているが、設問が問うのは案が尽きて困り果てた現在の状態である。
問題 3
半年前には短い会話にも苦労していた学習者が、発表会では質疑にも流暢に答えた。指導者が予想を大きく上回る成長に驚き、感心した様子を表す表現はどれか。
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予想以上の成長に強く驚き、感心したので「目を見張った」が適切である。「目を光らせる」は、不正や危険がないか厳しく監視することを表す。学習者を注意深く見守ったというだけでは、目を見張るほどの驚きと感嘆を示せない。
問題 4
「田中さんは焼き菓子には目がなく、新しい店を見つけると必ず買って帰る」という文の「目がない」は、どのような意味か。
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「焼き菓子には目がない」は、焼き菓子が非常に好きで、我を忘れるほど心を引かれるという意味である。「目がない」には「物事のよしあしを判断する力がない」という別の用法もあるが、それは「人を見る目がない」のような文脈で用いられる。
問題 5
二人の部下が作業分担をめぐって対立した。上司は記録も双方の説明も確認しないまま、親しい部下だけを「彼に落ち度はない」と擁護した。この上司の行動を表す慣用句はどれか。
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対立する二人のうち、事実確認をせず親しい一方だけの味方をしているため「肩を持つ」が適切である。「肩の荷が下りる」は、責任や負担から解放されて安心することを表し、一方をひいきして擁護する行動とは関係がない。
問題 6
熟練の料理人は記念晩餐会の厨房を任され、身に付けた技術を存分に発揮して、限られた食材から多彩な料理を仕上げた。この料理人の働きを表す表現はどれか。
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既に身に付けた調理技能を本番で十分に発揮したため「腕を振るう」が適切である。「腕を磨く」は練習によって技能を高めること、「腕が鳴る」は技能を発揮したくて意欲が高まることを表す。設問では、料理人が実際に技能を発揮して料理を完成させている。
問題 7
次のうち、「骨を折る」を「苦労をいとわず人のために尽力する」という慣用句の意味で使っている文はどれか。
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支援員が避難者のため、転居先探しや調整に手間を惜しまず尽力しているので、慣用句としての「骨を折る」が成立する。選手の文は身体の骨を実際に折る字義的用法である。また「骨を折る」は努力を尽くす意味なので、難しさからすぐ諦める行動には用いられない。
問題 8
演奏会の練習が順調に進み、参加者の意欲も高まっていたところ、見学者が根拠もなく「どうせ客は来ない」と言い、場の勢いをそいだ。この発言を表す慣用句はどれか。
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順調な練習と高まっていた意欲へ横から否定的な発言を入れ、勢いや雰囲気を損ねたため「水を差す」が適切である。「水を向ける」は、相手が話し始めるよう話題を仕向けることを表す。この見学者は話を引き出したのではなく、活動の流れを妨げている。
問題 9
社内便を届けに出た社員が、届け先で勤務時間中に四十分も世間話をし、担当作業を遅らせた。無駄話をして仕事を怠けた行動を表す慣用句はどれか。
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勤務中に長い無駄話をして、本来の担当作業を怠っているため「油を売る」が適切である。正式な休憩時間の会話ではなく、業務の途中で時間をつぶした点が判断の要である。「骨を折る」は、苦労をいとわず仕事や人のために力を尽くすことで、怠ける行動とは反対である。
問題 10
責任者は会議前に未公表資料を配る際、「閲覧は会議中だけです。転送も持ち出しもしないと約束してください」と参加者一人一人に確認した。約束違反を防ぐため念を押したこの行為を表す慣用句はどれか。
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資料を渡す前に禁止事項を明示し、違反や言い逃れができないよう約束を確認しているため「釘を刺す」が適切である。問題が起きた後の叱責ではなく、起こり得る行動を予測して事前に強く念を押す点が要である。「腹を割る」は、本心を隠さず率直に話すことを表す。