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文学クイズ|作品構成・表現技法・社会背景の標準問題 第2集

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問題 1

『枕草子』には、宮中での出来事、季節や自然への感想、「うつくしきもの」のように同種の事物を列挙する記述などが収められている。この作品の構成を説明したものとして、最も適切なものはどれか。

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『枕草子』は、宮中での体験を語る章段、自然への感興を記す章段、同種のものを列挙する「もの」型の章段などを集めた随筆である。単一の筋を最後まで追う物語ではなく、章段ごとに題材や書き方が変わる。和歌や手紙も現れ得るが、それだけを一定の規則で集めた作品ではない。

問題 2

『平家物語』には多くの異本があり、国立国会図書館は、平家琵琶の伴奏で語られた詞章に関わる「語り本系」と、読み物として編集された「読み本系」に大別している。この違いの背景として最も適切なものはどれか。

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『平家物語』は、平家琵琶を伴う語りと、書写され読み物として編集される伝承の両面を持つ。そのため、語り本系と読み本系を含む多様な本文が伝わったと理解できる。一人の作者が同時に二版を刊行したという近代的な出版事情や、一種類の能台本だけから生じた違いではない。

問題 3

『方丈記』は、都を襲った火災、辻風、飢饉、地震などを記した後、小さな方丈の庵で暮らす作者の思索へ進む。この組合せから読み取れる作品の特徴として、最も適切なものはどれか。

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『方丈記』では、災厄によって都や住まいが崩れる様子が、人と世の移ろいやすさを考える無常観へ結び付く。後半の小さな庵での生活も、住まいと執着を省察する流れにある。災害記録としての価値はあるが、日時や避難方法だけを伝える現代的な防災手引書ではない。

問題 4

『藪の中』では、一つの死をめぐって木樵、盗人、妻、死者の霊などが証言するが、誰がどのように死なせたかという核心で証言が食い違い、全知の語り手による答えは示されない。この構成が生む効果として最も適切なものはどれか。

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証言者は同じ事件を語りながら、自分に都合のよい姿や異なる殺害経緯を示す。互いの説明を裁定する全知の語りがないため、読者は語りの偏りと真実を知る難しさに向き合うことになる。最後の死霊の証言も、作中で他の証言より客観的だと保証されてはいない。

問題 5

『山月記』で李徴は、自分を「臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」に支配されていたと振り返る。本文では、詩人を志しながら師や詩友との研鑽を避け、同時に俗人の中に交わることも拒んだ。この言葉が表す心理として最も適切なものはどれか。

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李徴は、才能がないと判明するのを恐れて研鑽へ踏み出せず、同時に自分を平凡な人間として受け入れることもできなかった。この恐れと尊大さの結び付きが、人との交わりや努力を避けさせ、才能を空費したという自己分析につながる。引用は中島敦の著作権切れ原文から、心理の矛盾を示す短い二句だけを用いた。

問題 6

トロイア戦争後、英雄オデュッセウスが長い放浪を経て故郷イタケーへの帰還を目指す『オデュッセイア』。文学史上の形式として最も適切なものはどれか。

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『オデュッセイア』は、トロイア戦争後の英雄の帰還と冒険を語る、ホメロスに帰せられる古代ギリシャの叙事詩である。歴史的背景や地名を含むが、議事録や実用旅行案内ではない。成立には口承伝統と書記化をめぐる論点があるため、単純に近代的な個人著作と同じ意味で作者を捉えない。

問題 7

『ガリヴァー旅行記』は、船医ガリヴァーの旅行記らしい体裁を取りながら、小人国、巨人国、空飛ぶ島、知性ある馬の国などの架空社会を描く。この仕掛けの主な文学的機能として最も適切なものはどれか。

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作品は旅行記らしい具体的な語りと架空社会を組み合わせ、読者が自分たちの政治、学問、争い、人間性を別の角度から見るよう促す風刺である。児童向け翻案では冒険部分が強調されることがあるが、原作全体を実在地域の旅行報告や単なる空想冒険に限定することはできない。

問題 8

『高慢と偏見』のベネット家には未婚の娘が5人いるが、娘たちは父の死後に家産を相続できない。この条件が作品内の求婚や結婚に与える意味として、最も適切なものはどれか。

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娘たちが家産を相続できない状況では、父の死後の住まいと生計が不安定になり得る。そのため結婚は愛情や人格の問題であると同時に、経済的・社会的な安全にも関わる。作品は金銭だけを肯定するのではなく、こうした圧力の中で愛情、尊敬、評判、階級をどう判断するかを描く。

問題 9

1845年の『フレデリック・ダグラス自叙伝』(Narrative of the Life of Frederick Douglass)は、奴隷制を経験し、そこから逃れた本人が「Written by Himself」と掲げて生涯を語る。この形式と社会的背景の組合せとして最も適切なものはどれか。

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ダグラスは自らの奴隷制下の経験、学び、逃亡を本人の言葉で記し、その証言は奴隷制の実態を告発する廃止運動の文脈と結び付いた。したがって、第三者による架空物語や制度擁護の演説、数値中心の政府資料ではなく、一人称の自伝的奴隷体験記と位置付けられる。

問題 10

エミリー・ディキンソンの詩の次の2行では、どの表現技法が中心的に使われているか。 「Because I could not stop for Death – He kindly stopped for me –」

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Deathを大文字で示し、代名詞Heで受け、話者のために親切に立ち止まる存在として描いているため、中心となる技法は擬人法である。likeやasによる比較や音の模倣はなく、複数の証言を入れ子にする構成でもない。引用は1886年没の作者による著作権切れ原詩から、判断に必要な冒頭2行だけを用いた。