敬語・言葉遣い問題|二重敬語・可能表現・接客敬語 標準 第2集
問題 1
次のうち、形の上では二重敬語に当たるものの、習慣として定着しており、文化庁の「敬語の指針」で許容される例として挙げられている表現はどれか。
解説を見る
「お召し上がりになる」は、「召し上がる」に「お〜になる」を重ねた形だが、習慣として定着した二重敬語として許容される。「お読みになられる」は「お読みになる」に尊敬の「れる」を、「おっしゃられる」は「おっしゃる」に尊敬の「れる」を重ねた一般に不適切な二重敬語である。二重敬語かどうかだけでなく、定着した例外かを確認する必要がある。
問題 2
「先生はその論文をお読みになっていらっしゃる」という表現の説明として、最も適切なものはどれか。
解説を見る
「お読みになっていらっしゃる」は、「読んでいる」の「読む」を「お読みになる」に、「いる」を「いらっしゃる」にして接続した敬語連結である。一つの語に同じ種類の敬語を重ねる二重敬語とは異なり、各敬語の使い方と意味の結び付きが適切なので、基本的に許容される。「いらっしゃる」には「いる」の尊敬語としての用法もある。
問題 3
学生が友人に、恩師が学生の自宅を訪ねてくれたことを伝える。恩師を立て、敬意の向きを誤らない表現はどれか。
解説を見る
訪問したのは恩師なので、「来てくださる」によって恩師の行為を立てるのが適切である。「伺う」は訪問先を立てる謙譲語Iであり、「先生は私の家に伺う」とすると、先生の行為を低めて訪問先である話し手側を立てる不合理な向きになる。「参る」は自分側の行為を丁重に述べる謙譲語IIなので、先生の訪問には用いない。
問題 4
「顧客が文書を読む」と「顧客がサービスを利用する」を、それぞれ「お(ご)〜になる」の尊敬語にする。原則に沿った組合せはどれか。
解説を見る
接頭語は原則として、和語には「お」、漢語には「ご」を用いる。「読む」は和語なので「お読みになる」、「利用する」は漢語のサ変動詞なので「ご利用になる」が適切である。「お料理」や「お元気」のような定着した例外はあるが、この二語は原則どおりに作る。
問題 5
店員が顧客に、この店の配送サービスを普段から使っているか尋ねる。文化庁が示す規範的な説明に照らして、最も適切な表現はどれか。
解説を見る
利用するのは顧客なので、尊敬語「ご利用になる」が規範的に適切である。「ご利用する」「ご利用いたす」は自分側から相手側へ向かう行為に用いる謙譲表現で、顧客の行為には使わない。「ご利用される」は実際に使われるが、「ご利用する+れる」と見られるため、規範的には「ご利用になる」などが推奨される。
問題 6
駅員が乗客本人に、この切符では指定席へ乗車できないことを伝える。乗客の行為を尊敬語の可能形で表した文はどれか。
解説を見る
乗車するのは相手である乗客なので、「ご乗車になる」を可能形にした「ご乗車になれる」を用い、その否定「ご乗車になれません」とする。「ご乗車できる」は謙譲語I「ご乗車する」の可能形と解釈され、相手の行為を立てる形にはならない。なお、助詞で分けた「ご乗車はできません」や「ご乗車いただけません」も別の適切な表現だが、選択肢にはない。
問題 7
社員が顧客に、明日なら自分が製品仕様を詳しく説明できると伝える。自分側から顧客へ向かう行為の可能性を、謙譲語Iで適切に述べたものはどれか。
解説を見る
「ご説明できる」は、謙譲語I「ご説明する」の可能形である。行為者が社員本人で、説明の向かう先が顧客なので、「私がご説明できます」が適切である。「ご説明になれる」は相手側の行為に使う尊敬語の可能形であり、自分を主語にすると自分を立てることになる。行為者を顧客に変えた選択肢は、設問の内容自体が異なる。
問題 8
担当者が上司に、新しい手引は利用者にとって読みやすい構成だと説明する。利用者の「読む」という行為を立てた表現はどれか。
解説を見る
「読みやすい」は「読む」という動詞と「やすい」という形容詞から成る。動詞部分だけを尊敬語「お読みになる」にし、その後へ「やすい」を付けた「お読みになりやすい」が適切である。「お読みやすい」は接頭語を付けただけで尊敬語の形を完成させておらず、「ご読み」は和語に対する原則的な接頭語の選択にも合わない。
問題 9
レストランの店員が、顧客に注文品をすべて提供したか確認する。注文品という物を不必要に尊敬語の主体にしない、最も適切な表現はどれか。
解説を見る
「ご注文の品は、以上でよろしいでしょうか」なら、顧客への丁寧さを保ちながら、注文品そのものを尊敬語で立てずに確認できる。「おそろいになる」は尊敬語「お〜になる」の形なので、この文では無生物である注文品を立てることになり不適切である。「おそろいになられる」はさらに尊敬語を重ねている。
問題 10
レンタカー会社の社員が顧客に、目的地まで顧客自身が車を運転するのか尋ねる。「運転する」の慣用に合う尊敬表現はどれか。
解説を見る
「運転する」は慣習上「お(ご)」となじまず、「ご運転になる」という形を作れないため、「運転なさる」または「運転される」とする。「お運転になる」も成立しない。「運転いたす」は自分側の行為を丁重に述べる形なので、顧客自身の行為を尋ねる文には使わない。