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敬語・言葉遣い問題|申す・存じる・いただくの使い分け 実践 第3集

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問題 1

新任担当者が取引先に自己紹介し、その後、会社を代表しておわびを述べる。敬語の働きを踏まえた組合せとして最も適切なものはどれか。

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「申す」は、自分側の「言う」を聞き手に丁重に述べる謙譲語II(丁重語)なので、自己紹介の「佐藤と申します」に適する。「申し上げる」は、言葉を向ける先を立てる謙譲語Iであり、取引先へおわびを述べる「おわび申し上げます」に適する。両者は単なる丁寧さの強弱ではなく、敬語としての働きが異なる。

問題 2

社員が取引先の山田氏について、以前から知っていることを山田氏本人に伝える。山田氏を立てる表現はどれか。

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「存じ上げる」は「知る」の謙譲語Iで、知る対象である山田氏を立てる。この場合は通常「存じ上げている」の形を用いるため、「以前から存じ上げております」が適切である。「ご存じです」は相手側の「知っている」を表す尊敬語なので、自分を行為者とするこの文には合わない。

問題 3

担当者が顧客本人に、来月から窓口が変更されることをすでに知っているか確認する。顧客の「知っている」を立てた表現はどれか。

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「ご存じだ(です)」は「知っている」の尊敬語で、行為者である顧客を立てる。「ご存じでしょうか」は、顧客が知っているかを丁寧に尋ねる表現として適切である。「存じる」「存じ上げる」は自分側の知識を述べるときに用いる謙譲表現であり、顧客の行為には使わない。

問題 4

社員が顧客から事前に送られた企画書を読み、内容を確認したと顧客へ報告する。最も適切な表現はどれか。

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読んだのは社員自身で、見る対象は顧客から送られた企画書なので、「見る」の謙譲語I「拝見する」を用いた「拝見しました」が適切である。「ご覧になる」は顧客など相手側の「見る」を表す尊敬語であり、自分の行為には用いない。「拝見してくださいました」は、顧客の行為に謙譲語を当てている。

問題 5

担当者が顧客本人に「明日の面談で、自分が顧客に会えることを楽しみにしている」と伝える。自分の「会う」行為から顧客を立てる表現はどれか。

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「お目に掛かる」は「会う」の謙譲語Iで、自分が会う相手である顧客を立てる。「お会いになる」は、顧客など相手側が会う行為を立てる尊敬表現なので、この設問が求める自分の行為の述べ方とは異なる。「拝見する」は「見る」の謙譲語Iであり、人と会う意味にはならない。

問題 6

店舗が顧客へ送る礼状の「いつも当店を御利用いただき、ありがとうございます」と「いつも当店を御利用くださり、ありがとうございます」の関係について、文化庁の説明に合うものはどれか。

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「御利用いただく」は、自分側が相手の利用を受けるという視点の謙譲語Iである。「御利用くださる」は、利用する相手を行為者として立てる尊敬語である。文法上の視点は異なるが、どちらも顧客の行為を有り難いものとして捉え、立てる対象も同じなので、文化庁は基本的にどちらも適切としている。

問題 7

研修の案内文にある「当日は本人確認書類を御持参ください」という表現の説明として、文化庁の「敬語の指針」に合うものはどれか。

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「御持参ください」の「持参」は一語として定着しており、その中の「参」は謙譲語IIとして相手を低める働きをしていない。そのため、相手に本人確認書類を持って来てもらう案内に使って問題ない。表現が気になる場合は「お持ちください」と言い換えられるが、「御持参ください」を一律に誤りとはできない。

問題 8

課長が社長から「部下に新しい手順を伝えておくように」と指示され、「承知しました。そのように部下へ申し伝えます」と答えた。この「申し伝えます」の説明として最も適切なものはどれか。

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「申し伝える」の「申す」は、自分側の「言う」を聞き手に丁重に述べる謙譲語IIとして働く。ここでは聞き手である社長へ改まって返答しているのであり、言葉の伝達先である部下を立てているわけではない。したがって、この場面の「部下へ申し伝えます」は適切である。

問題 9

受付担当者が来訪予定の顧客へ「受付でお待ちしております」と伝えた。自分側の動作に「お」を付けたこの表現の説明として最も適切なものはどれか。

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自分側の動作であっても、その行為の向かう先を立てる場合は「お・御」を付けた謙譲語Iを使える。「お待ちしております」は、受付担当者が顧客を待つ行為を、顧客を立てて述べる表現なので適切である。一方、「私のお考え」のように自分側そのものを尊敬語で立てる用法は不適切である。

問題 10

部下が課長に、課長自身が会議室までファイルを持っていくかどうかを尋ねたい。意図が正しく伝わる表現はどれか。

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持っていくのが課長本人なら、課長の行為を立てる尊敬語「お持ちになる」を疑問形にした「お持ちになりますか」が適切である。「お持ちしますか」や「お持ちいたしますか」は、部下側が持つことを申し出る謙譲表現と受け取られるため、行為者について意図の食い違いが生じる。