情報セキュリティマネジメント試験(SG)|科目A リスク対応・委託先・インシデント管理問題08
問題 1
顧客管理システムで、社内だけから利用していた機能を取引先向けAPIとしてインターネットへ公開することになった。年次リスク評価は2か月前に完了している。公開前の対応として最も適切なものはどれか。
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システムの構成や利用形態を変えると、攻撃経路や影響範囲も変わり得る。今回は社内限定機能を外部公開するため、年次評価の実施時期にかかわらず、認証、公開範囲、データ、脅威を基に新たなリスクを特定・評価する必要がある。利用開始後の障害件数だけでは、公開前に対処すべき侵害リスクを判断できない。
問題 2
二つのリスク対応策の優先順位を決める。対応策Xは高額だが重大なリスクを許容水準まで下げる。対応策Yは安価だが、実施後も組織の受容基準を超えるリスクが残る。判断として最も適切なものはどれか。
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優先順位は費用の安さだけでは決められない。対応前のリスク、対策に必要なコスト、実施後の残留リスクが受容基準内に収まるかを併せて判断する。この条件ではYを実施しても許容できないリスクが残るため、安価という理由だけでYを優先するのは不適切である。法令・契約上の必須要件も判断条件から外せない。
問題 3
顧客情報システムのリスク対応計画に「アクセス制御を強化する」とだけ記載されていた。実行可能性と完了判定を高めるため、追加すべき内容の組合せとして最も適切なものはどれか。
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リスク対応計画は、何をするかに加え、必要な人員・予算などの資源、実施責任者、期限、効果を確認する方法まで定めることで進捗と結果を管理できる。「アクセス制御を強化する」という方針や候補製品と費用だけでは、担当、期限、完了条件が不明である。発見経緯や対策案の長所は参考情報になるが、実行管理に必要な要素の代わりにはならない。
問題 4
毎日のバックアップ処理は成功と表示されているが、過去1年間リストアを試していない。必要なデータを目標時間内に復旧できるか確かめる方法として最も適切なものはどれか。
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ジョブの成功表示は、必要なファイルが読み出せ、手順どおり復旧できることまで保証しない。隔離環境で実際にリストアし、データの完全性と所要時間を確認すれば、破損、権限不足、手順漏れなどを事前に発見できる。取得回数やファイル容量だけを確認しても、復旧可能性の検証にはならない。
問題 5
組織の緊急パッチ適用基準では、「実際に悪用が確認され、インターネットへ公開された重要システムに影響する脆弱性」を最優先と定めている。次のうち最優先で対応すべきものはどれか。
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設問の基準では、実際の悪用、外部公開、重要システムへの影響という条件を全て満たす顧客向けWebシステムが最優先となる。深刻度が高くても組織が使用していない製品は直接の影響を受けない。緊急適用時も、組織の承認済み手順に従って動作確認や切戻し手段を準備し、可用性への影響を管理する。
問題 6
新しい委託先を調査したところ、組織が要求するログ保存期間は1年だが、委託先の現状は3か月だった。契約締結前の対応として最も適切なものはどれか。
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委託開始前には、組織のセキュリティ要求と委託先の現状の差を明確にし、必要な是正を契約へ反映する。保存期間の延長方法、期限、費用負担を関係者で合意すれば、開始後の責任や実施条件も確認できる。価格だけで差を無視したり、口頭説明だけで要件充足と判断したりしては、調査可能性を確保できない。
問題 7
委託先が、契約では国内保存と定めた顧客データの一部を、承認を得ず別地域のクラウドへ複製していたことが判明した。委託中の管理として最も適切なものはどれか。
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契約内容と実施状況の不一致を見つけたら、まず理由と対象範囲、リスクを明らかにし、契約担当者と協力して是正する必要がある。是正後の再確認まで行うことで、単なる口頭約束で終わることを防げる。契約文を実態に合わせて削除するだけでは、無承認複製によるリスクも契約違反も解消しない。
問題 8
顧客データの処理委託を終了する。委託先から「データは削除した」とメールで連絡があった。委託終了時の管理として最も適切なものはどれか。
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委託終了時は、貸与資料、稼働データ、複製、バックアップなどの対象を明確にし、回収または廃棄の実施結果を確認する。法令などで保存が必要なデータがあれば、対象、期間、保護方法も区別して記録する。担当者アカウントの停止だけでは、委託先に残るデータや資料を処理したことにはならない。
問題 9
CSIRTが同時に二件の事象を受け付けた。一件は遮断済みの検証用端末へのポートスキャン、もう一件は本番サーバから顧客データが大量送信されている疑いである。初動の優先順位付けとして最も適切なものはどれか。
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初動の優先順位は受付順だけでなく、情報の重要度、業務への影響、被害が広がる可能性と範囲を基に決める。大量の顧客データが外部送信中なら、機密性への重大な影響が拡大している可能性があるため、確認と封じ込めを優先する合理性が高い。一方の事象を優先しても、もう一方を記録せず放置してよいわけではない。
問題 10
不正ログイン後に顧客ファイルが持ち出された疑いがある。侵入経路と影響範囲を分析する方法として最も適切なものはどれか。
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原因と影響範囲は、一種類の情報だけでなく、認証、端末操作、外部通信、ファイルアクセスなどを時系列で関連付けて切り分ける。既知の攻撃手法や侵害指標との照合も判断を補強する。利用者の記憶は手掛かりにはなるが、誤認や抜けがあり得るため、それだけで侵入経路や持出し範囲を確定してはならない。